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お客様の声

結婚指輪 ( 手作り )

流れるような彫り加工を施した手作り結婚指輪

O様・K様 【栃木】 2025年5月31日

『模様がぴったりと繋がる二つのリング』

お二人の結婚指輪を重ねて置くと、右斜め上にスッと立ち上っていくシャープなラインがぴったりと重なるようなデザインに。素材や最終仕上げなどそれぞれ異なるものを選ばれたお二人ですが、このお揃いのラインがセンターに入ってくることでグッとペア感の増す仕上がりになりました。

また奥様の指輪(上部・シルバーカラーのプラチナリング)はよく見ると左の方がフラットでは無く少々飛び出ているように見えるのですが、実は先ほどのラインから約90°ずらした位置にメビウスデザインの捻りを加えています。着用時に正面の位置をぐるりとずらしてあげることで、その日の気分や服装に合わせて二つのデザインを使い分けることが可能に◎

今回はそんなお二人のアイデアがふんだんに盛り込まれた結婚指輪が出来るまでをご紹介していきたいと思います。

『ここから二人の指輪作りがスタート!』

お二人の希望の素材や号数、指輪の横幅などに合わせて職人が一から材料をご準備いたします。指輪を作っていくとなると皆様輪っかの形から始まると思われている方も多いのですが、実はスタートは真っ直ぐな棒の状態から。というのもこちらのコースでお作りいただく指輪は”鍛造”と呼ばれる技法を用いており、棒の端と端を合わせて溶接し、繋ぎ目を馴染ませ、叩いて形を丸くして製作を進めていきます。特に溶接後の指輪を叩く作業では、指輪を丸くするだけでなく金属を繰り返し叩くことによって金属を鍛え、頑丈で耐久性の高いものにしていく役割も同時に担っています。まさに”鍛(えて)造(る)”、文字通りの製法ですね。

『火と密接に関わる、指輪作りの裏側』

先ほどもお話ししたように、鍛造製法では指輪を溶接する場面もありますので指輪作り体験において火は必要不可欠です。写真でお二人が手にしているガスバーナーですが、各素材に応じて適したガスやエアーの量は異なります。熱に非常に耐性のあるプラチナはエアーを多く含んだ鋭い炎で、ゴールドは温めすぎると溶けてしまうため少し勢いを抑えた柔らかい火加減で…など微妙な匙加減を調整した上で体験ではお客様にバーナーをお渡ししております。特に今回のお二人のように、それぞれ異なる金属を選ばれているとその違いがわかりやすいかもしれません。とてもマニアックな領域のお話ですが(!)是非体験中はじっくり観察をして頂くと、他にも小さな発見があるかもしれませんね。

『180°反転させて生み出す、メビウスのデザインリング』

続いてはメビウスの捻りの形を作り上げていきますので、作業するのは奥様の指輪のみ。せっかくですのでご自身の手で曲げて頂きました!少し緊張した面持ちで慎重に材料を捻っていく奥様と、そのご様子を終始笑顔で見守る旦那様をパチリ。とても和やかな空気感をそのままお写真に収めさせていただきました。

ここからはお二人とも共通の作業へ。まだお二人の指輪の材料は真っ直ぐな形をしたままですので、ヤットコと呼ばれるペンチのような道具を使って、少しつづ曲線状に変化させていきます。初めて使う道具に戸惑う方も多い中、お二人とも綺麗に形作ることができていらっしゃいました!

『時間を丁寧に重ねた、世界に一つだけの結婚指輪へ』

次はハンマーを使った作業へ。コンコン…と指輪を叩く音がアトリエに響きます。

この作業が終わる頃にはスタート時と比べるとかなり完成形に近い、指輪らしいシルエットが見えてくるようになります。最初の棒の状態の時を知っているからこそ、ここまできて形が整ってくると喜びもひとしお。お二人が丸くなった指輪を手のひらに乗せ、嬉しそうに眺めるお姿がとても印象に残っています◎

『コツコツと。地道な作業の積み重ね』

指輪が丸くなり、サイズもピッタリになった後は仕上げの工程へ。まだまだ指輪は小傷の残った状態ですので、これを綺麗になるまでヤスリを使って整えていきます。直ぐに目に見えてわかる訳ではないのですが、地道にコツコツと作業を進めていくと…着実に手触りが変化していきます!

『緊張と期待が入り交じる、仕上げの工程』

表面と内側をヤスリで整えた後は、更にきめの細かい研磨剤を使って磨いていきます。工具を上手に使いこなすお二人の横顔は、さながら職人のよう。

最後はバフと呼ばれる仕上げの機械を使って表面を綺麗に磨き上げます。高速で回転する機械に気をつけながら指輪をサッサッと磨いていくと…みるみるうちに鏡のようにつるんと美しい輝きが生まれます!

『お二人だけの、特別な刻印を添えて』

長い時間にわたる作業、大変お疲れ様でした!アンティーク仕上げの落ち着いた雰囲気と鏡面のキラリと輝く二つの質感を兼ね備えた、お二人の結婚指輪が完成しましたね。

また指輪の内側にはお二人が手書きされたイラストと文字をレーザーで刻印いたしました。他の誰とも被ることのない、まさに唯一無二の特別な刻印です。また文字や記号だけでなくお二人のように似顔絵を加えられるのも手書き刻印ならでは。二人の似顔絵以外にもそれぞれのトレードマークや好物、わんちゃん猫ちゃんなど大切なご家族のイラストなどかなり自由度の高い刻印をお入れすることができますよ。

完成した結婚指輪と共に、オリジナルのドライフラワーブーケと似顔絵をお贈りさせていただきました。ドレスアップしたお二人の似顔絵の背景にはお花を散りばめて、まるでお花畑にいるかのようなイラストに。今日という日をいつまでも鮮明に思い出すことが出来るような、そんなきっかけとなるようなアイテムになりましたら幸いです。


この度はご来店誠にありがとうございました。お二人の歩むこれからの人生が、いつまでも明るく照らされ続けますように。


【制作サポート】

 小椋 啓司

【似顔絵・ブーケ制作】

 小椋 歩

完成した指輪