「自分達らしさ」を詰め込んだ手作り結婚指輪
『お気に入りのひとつをじっくり選ぶように』
今回ご紹介するのは、シンプルリングコースでご結婚指輪をご制作されたお二人。素材やデザインはそれぞれのお好みに合わせてお選びいただきました。
ちなみにお客様から結婚指輪を作る際「結婚指輪は同じデザインで揃えた方が良いですか?」と聞かれることもあるのですが、やっぱり自分自身が身に付けてしっくりとくるものを選んでいただくことが大切なのでは無いかなと思っています。
人それぞれ肌の色や体型が違うように、それによってお似合いになる指輪のデザインも勿論変わってくるもの。
そして2本の指輪を並べている時間よりもお二人それぞれが身に付けて生活することの方が長い結婚指輪ですから、折角ならご自身の好みに合ったものを。そんなお気に入りの存在となる結婚指輪が作れるようお手伝いができたらと考えています。
今回旦那様の選んだのは平打ちベースのデザイン。平打ちの指輪は角ばったシャープな形が男性の大きな手にもしっくりと馴染みやすく、また艶消し加工を施したプラチナはアンティークを思わせる落ち着いた雰囲気でとても良くお似合いでしたね。
一方で奥様が選んだのはつるんとした鏡のように美しく光る鏡面仕上げのピンクゴールドに、アールが効いたまろやかな甲丸の形の指輪。奥様の柔らかなお人柄に合う素敵なデザインを選んでいただきました。
選んだものはそれぞれ異なりますが、お二人がお互いの雰囲気に似合うものを尊重した末に出来上がった、世界に一つだけの素敵な結婚指輪になりました。
ここからはそんなお二人の体験風景をご紹介していきたいと思います。
『硬さも見た目も全く違う二つの金属』
お二人がそれぞれ作るプラチナとピンクゴールドの指輪。これらの金属はただ色味だけではなく、硬さや融点の違いなど全く異なる性質をもった二つです。
職人の説明を真剣に聞きながら、それぞれの金属に適した温度を見極めて火を当てる作業、サッと金属から火を避ける作業をこなされていらっしゃいましたね。
『苦労した作業も大切な思い出に』
材料は棒の状態からスタートになりますので、ここからお二人にはざっくりと輪っかの形を目指していただきます。
ここで使用するのはヤットコという、ペンチのような形の工具。すでで曲げるのは至難の技ですのでヤットコを補助具として使いながら曲げていくのですが…
「なかなか思い通りに曲がらない!」
そうなんです。実は初めにイメージしていたよりも難しかった!とおっしゃる方が多いのが、この曲げる作業です。
特に今回お二人が作られているのは硬さが出やすい幅広タイプのプラチナに、maroiの扱う金属の中でも最も硬いピンクゴールドのご結婚指輪。
お二人ともその材料の硬さに奮闘されながらも、少しづつ確実に形を整えて進められていましたね。大変お疲れ様でした!
『叩く度に強くなる、鍛造の指輪』
溶接作業を経てしっかりと端っこが合わさったお二人の指輪。
このままですとまだまだ歪な形をしておりますので、次の工程では新たに道具を持ち替えて綺麗なまん丸の形を目指していただきます。
ちなみにこのハンマーで指輪を叩く作業は、ただ形を綺麗な丸に整えるだけではありません。金属には、叩いて力を加えてあげることでより材料が硬く締まる性質があります。
そのため、綺麗な形になるのと同時にしっかりと強度のある丈夫な指輪にするのも、この作業の大切な目的になりますよ。
旦那様も奥様も沢山叩いてくださり、指輪はしっかりと真円の出た綺麗なシルエットに様変わり。達成感と指輪が丸くなった安堵感に、お二人ともホッとしたような、柔らかな笑顔がこぼれます。
『指に馴染むように確かめながら』
最後は指輪の内側を磨く作業になります。専用の機械を使い丁寧に磨く姿はもはや職人さながら。
指輪の着け心地を左右する大切な作業ですので、抜群の着け心地を目指して最後までお二人とも妥協することなく頑張られていましたね。
『自分達で作り上げた、唯一無二の結婚指輪』
二人で苦労した作業、達成感を感じた瞬間…。今日一日の中で、指輪作りを通じて色々な作業を体験していただきました。そんなお二人の指輪作りにかけた努力が実を結んだ、「自分らしさ」が輝く素敵なご結婚指輪になりましたね。
長い時間に渡るご制作、大変お疲れ様でした。
『指輪と共に。maroiのおもてなし』
完成した指輪と共に、maroiオリジナルの似顔絵とブーケをお二人へお送りいたします。
似顔絵はウェルカムボート用にもお使いいただけるように。今回はドレスアップver.で描かせていただきました。オリジナルのドライフラワーブーケはホワイトカラーをベースに、奥様の指輪のカラーリングでもあるピンク色を散りばめてお仕立ていたしました。
これからの人生を共に歩んでいくお二人にとって、私達maroiと結婚指輪がかけがえのない存在の一つとなりますように。
この度はご来店、ありがとうございました。
【制作サポート】
小椋 啓司
【似顔絵・ブーケ制作】
小椋 歩
完成した指輪