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お客様の声

結婚指輪 ( 手作り )

穏やかな佇まいに。石目模様の手作り結婚指輪

K様ご夫婦 【千葉】 2023年7月2日

『二人らしさが宿る、優しい質感のテクスチャーを』

今回ご紹介するのは手作りコースで結婚指輪をご制作されたお二人です。

お二人が指輪を作るにあたり大切にされていたポイントは…シンプルながらも二人らしさが宿る、少しのアクセント。

そんなご希望から、自分達で模様付けのできるテクスチャーハンマーを使ったデザインをご提案させて頂きました。中でもお二人が選ばれたのは、キラっとした金属特有の光り方を抑えた質感が特徴の石目模様。更に表面に艶消し加工を加えたことでサテンのようなしっとりとした優しい表情のご結婚指輪が完成いたしました。

『爽やかな印象を持った二つの金属』

まずはお二人で指輪の材料を持ち、記念写真をパチリ!旦那様は涼やかなイエローカラーが特徴的なグリーンゴールド、奥様は凛とした深みのあるプラチナをそれぞれ指輪の素材にセレクトされました。

素材による色味の違いだけでなく、材料自体の硬さや磨いた時の見え方の違いなども是非見比べながらご制作されてみると、色々な違いが見えてきて面白いですよ。

『お互いの作業に、興味津々!』

maroiではお客様に「本格的な指輪作りを実際に手を動かすことで体験して頂きたい」という思いから、職人が普段指輪を作るときと同じように、一本の金属の棒の状態から火を使って熱したり、ハンマーで金属を叩いたり…といった作業をお客様自身に体験してもらいます。

勿論初めて作業される方が大半ですので、横では職人がしっかりとお二人をサポートいたします。どうぞ安心していらしてくださいね。

写真の作業は材料を柔らかくするための「焼きなまし」と呼ばれる作業です。ガスバーナーを持った作業は緊張感もありますが、金属が熱されみるみるうちに色が変化していく様は、思わず見惚れてしまうような、何とも言えない魅力があります。お二人ともお互いの真剣に作業している横顔や、それぞれ異なる金属の色の変化に興味津々でいらっしゃいましたね。

『沢山の工程を積み重ねて』

焼きなましの作業を終えたら、材料を曲げて溶接をしていきます。

溶接と聞くと、溶接面をつけて火花がバチバチと散るような光景を想像される方も多いのですが、、指輪の溶接に関しては実際に火花が飛び散ることはないのでご安心ください◎(よく想像されるバチバチとした光景は、鉄などを接合するガス溶接で見ることができますよ!)

今回指輪を溶接する方法は厳密にいうと“ロウ付け”と言われており、“ロウ”と呼ばれる金属の接着剤のようなものが材料の隙間に溶けて流れ込んでいくことで、金属同士を接着していきます。皆様が触れたことのあるかもしれないもので例えるならば、ハンダ付けが意外にも仕組みとしては近いかもしれませんね。

そして棒状の材料を溶接し輪っかの形になったら、次は歪な形を整える作業へ。カーン、カーンと軽快な指輪を叩く音色がアトリエの中に広がります。

作業も中盤に差し掛かり、程よく緊張感もほどけてゆったりとリラックスした雰囲気の中作業が進んでいきました。

『二人で作った思い出を指輪に刻んで』

指輪の傷や汚れをしっかりととったら、いよいよ表面の模様付けです。テクスチャーの入ったハンマーでコンコンと指輪を叩いていくと、ハンマーのテクスチャーが転写されるように指輪に模様が入っていきます。

叩く強さやハンマーの角度によって現れる模様の表情は様々。お二人自身の手で、お好みのテクスチャーを探し求めていただきます。

『目指すのは抜群の着け心地』

指輪の完成まであと少し。沢山の工具が並んだ彫金机でお二人が真剣に行なっている作業は、指輪の内側の磨き作業です。

ついつい表面の処理に気を遣いがちになってしまいますが、指輪の着け心地を決めるのは実は内側の方。指輪の内側もしっかりと磨きぬくことで抜群の着け心地が待っています。

『自分達らしさを大切にした結婚指輪』

沢山の作業工程を丁寧に積み重ねた、お二人だけの結婚指輪の完成です。お二人が完成させた指輪の内側には、それぞれタンザナイトとダイヤモンドを職人が石留めいたしました。

思わずそっと指で触れてみたくなる、和紙のような柔らかな優しい質感をまとった素敵なご結婚指輪になりましたね。長い時間にわたるご制作、大変お疲れ様でした!

『指輪と共に。二人だけの小さな結婚式』

maroiで結婚指輪を作られたお二人へ、後日完成した指輪と共にオリジナルの似顔絵とドライフラワーブーケをお贈りいたしました。似顔絵はお二人がmaroiへいらしてくださった時の服装のお色味に寄せて、ナチュラルな装いに。ブーケはお部屋の中がパッと華やかになるイエローカラーでお仕立ていたしました。


お二人で作り上げた結婚指輪とmaroiで過ごしたひとときが、これから歩むおふたりの人生にそっと寄り添う存在でありますように。

この度はご来店誠にありがとうございました。


【制作サポート】

 小椋 啓司

【似顔絵・ブーケ制作】

 小椋 歩

完成した指輪